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小野 正雄; 木下 貴博*; 上野 秀人*; Huang, X.*; 長壁 豊隆; 真下 茂
Materials Transactions, 46(2), p.219 - 224, 2005/02
被引用回数:8 パーセンタイル:54.84(Materials Science, Multidisciplinary)本研究では、In-Pb系合金について超重力場実験を行い原子の沈降と相平衡について調べた(最大加速度:100万Gレベル,温度:融点直下(固体),出発試料:中間相の相単相(面心正方晶),時間:30-150h)。回収試料は、重力方向にPbの濃度が増加して重力と反対方向にInの濃度が増加する傾斜構造を形成していた。100時間実験後の回収試料では、単相の出発状態から、重力側にPb相、反対側にIn相が出現し、それぞれの同一結晶構造内での格子定数が連続的に変化していることがわかった。以上から、この傾斜構造は原子スケールの傾斜構造であり、置換型溶質原子であるInとPb原子の沈降によって形成されたものであることが確認された。また、時間条件を変えた3つの実験結果(30h, 60h, 150h)から、60時間以下で定常状態に達したことがわかった。沈降プロセスのシミュレーションを行った結果、沈降の拡散係数が、化学ポテンシャルによる一般的な拡散係数の8倍と見積もられた。以上の結果は、この系の沈降の拡散メカニズムが一般的な拡散メカニズムと異なることを示唆している。
Huang, X.*; 真下 茂; 小野 正雄; 冨田 健; 沢井 友次; 長壁 豊隆; 毛利 信男*
Journal of Applied Physics, 96(3), p.1336 - 1340, 2004/08
被引用回数:11 パーセンタイル:42.73(Physics, Applied)本研究では、超重力場下の結晶状態の変化を調べるために、BiSb合金とBi単体について固相状態の温度で100万Gレベルの超重力場実験を行った。191-205Cで超重力場処理後の試料は組成の変化が見られなかったが、結晶粒径が数mmから数10mまで微細化された。同じ条件で処理したBi単体試料は結晶粒径が変化しなかった。220-240Cで処理後の試料は二つの領域を示している。弱い重力場領域では、結晶が数10mまで微細化されたが、強い重力場領域では、原子の沈降による組成変化が起きたほか、結晶が重力方向に沿って成長し、その長さが数mm程度に達している。成長した結晶はかなり歪んでおり、その歪みが重力の強い方向に沿って増大していること、また、六方晶のc軸が重力方向にほぼ平行になっていることがわかった。この特殊な結晶状態の形成は原子の沈降によるものと考えられる。